98 99 2000 ⇔ 2001
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
9月1日〜15日9月16日〜30日

 

 

9/13(木)

日頃おちゃらけて、 下らない事ばかり書くのがスタイルのこの日記。

小難しい時事ネタより エンターテイメント寄り。 お笑い指向? 時事ネ

タもエンターテイメント化してこそ花と言うものだろうが、そこまで命をかけ

るのもどうかと思う。 だいいちチャップリンでは 格好良くなってしまう。

ああいやだ … 人生、 カッコよくなったら終りだ。(笑)

とりあえず ネットの日記に吐いて捨てるほどありそうな 突然口調を改

めて、イスラム教の歴史の話をしたり、ラディン氏の経歴を載せて評論家

ぶっていろいろ推理したり、突然軍事関係に詳しくなったり(笑) 突然俺

は前から世界情勢や国際社会における平和研究を学んでいたんでこ

こでひとこと的なスタンスを取るのだけは あまりにも“頭良いでしょ尊敬

してちょ光線炸裂” でカッコ良いのでやめておこう。(笑)  そりゃー私だ

ってとりあえずちったー名の知れた大学で まあ 法律やら政治やらをや

って来た身。 (アレ?笑うトコじゃないんだけど(笑)) 小難しい事言えと

言われれば それなりにそれっぽい事を言う事はできるが、 小難しい

文章と言うのは中身がないので好かんのである。 だいいち 書いたっ

て面白くないから 読みゃ〜しないっしょ。(暴言) 読まれない文章ほど

悲しいモンはない。 無駄無駄。 ま、ここはひとつ、いつもの与太コラム

に逃げるのが吉かな。

 


やさぐれコラム

 

おすすめネタバレ無視推薦(笑)

 

ロビン企画


 

ゆうきまさみ氏の代表作に、 『 機動警察パトレイバー 』 と言う漫画が

ある。 有名なので読んだ事のある人も多いかもしれないが、一昔前の

少年誌の漫画であり、いささか “マニアック” と言う位置付けをされてい

たので 名前は知っているけど、詳しい事は知らない人も多いだろう。

この漫画は ごく近い近未来、 “レイバー” と呼ばれる多足歩行機械が

発明され、それが社会の隅々まで浸透している … と言う “IF” の世

界を描いたものだ。 “レイバー” は早い話が 人間が乗れるロボットの

ようなもので… ガンダムやエヴァンゲリオンを現実的にしたものである。

だが、使用用途は 宇宙空間で飛び回ったり、ビームサーベルで戦争を

したりするわけではなく 極めて現実的。 例えば土木作業の重機の発

展形として 作業現場で家を建てたり、解体したり… そういう用途が主

である。

TV1 data

パワフルでありながら、人間のように細やかな作業もできて非常に便利。

と、世間に広まったレイバーだが、 その便利さは同時に “レイバー犯

罪” などと言うシロモノを生み出した。 なにせパワーのあるロボットなの

だから、操縦者が悪意を持てば 凄まじい脅威になる。 パトカーが出動

しようが、おまわりさんが発砲しようが 到底止める事はできない。

… そこで その “レイバー犯罪” に対処すべく、 “レイバーの警察”

つまり “パトロール・レイバー” … 通称 “パトレイバー” と呼ばれる

部隊が、警察の中に作られた! … というのがおおまかなストーリーで

ある。 まあ 大筋としては荒唐無稽なSFと言っても良いのだが、ストー

リーの中身やディティールは実に現実的で “凝った” 作品である。

設定だけを聞いていると 悪者レイバーと パトレイバーが迫力満点の

殴り合いのアクション漫画を想像してしまうかもしれないが、 実際はまっ

たく逆で パトレイバー部隊は 予算などの問題で警察本部からいつも

煙たがられる存在。 失敗をすれば “税金の無駄使い!” と市民から

罵られ、邪魔なので(笑) パトレイバーの本部は東京湾の埋立地に島流

し状態。 所属している隊員も警察の中央や他の社会から島流しにされ

たような、落ちこぼれ&いわくつきの者ばかり。 完全な “色モノ” なの

だ。 … 事件と言っても 暴走したレイバーを格好良く取り押さえる事な

んてめったに無い。 高速道路で横転したトラックから逃げた牛を捕まえ

たり、デモの警備で “柵” の変わりに使われたり、 犯人ロボットと格闘

戦などやろうものなら 狭い東京。 足元で家は壊れる、電柱は折れるで

市民や警察内部から 怒号が飛び交う。 … それでもめげずに、イメー

ジアップ! お役に立ちますパトレイバー! と健気に頑張る 若きレイ

バー隊員の活躍を描いた、実に現実的であわれな公務員(笑)の物語で

ある。

名前だけを聞くと 『 子供向けのロボット漫画か 』 と思われてしまうか

もしれないが、 エヴァンゲリオンと同じで中身はその真逆。 その絶妙

な設定とリアルさ。 雰囲気が受けて今でも名作の誉れ高い漫画である。

 

で、この 『 パトレイバー 』 … アニメ化されたり OVA化されたり、

いろいろメディアミックスされたわけだが … なにせ ヘッドギア(製作集

団)のメンバーである、ゆうきまさみ氏のそばには あの “押井守” が

いるのだから、当たらないわけがない。(←嘘をつけ(笑)) 

テレビアニメ&OVAも 時折笑いを誘い、考えさせるような内容もあり…

ともかく良い出来で とりあえずファンは大満足。 そして もちろん次は 

『 映画化 』 となる。監督はもちろん “押井守” ストーリーも 氏の完

全オリジナルだ。

 

第一作目の舞台は東京。 1人の天才プログラマーが 薄笑いを浮かべ

ながら投身自殺をするシーンから始まる。 その日を境に、操縦者の手

を離れ、街中で、工事現場で、突然狂ったように暴走を始める東京中の

レイバー達。 主人公達の敵は なんとそのプログラマーが開発した“強

力なウイルス入りのレイバー用OS” だったのだ。 消そうしても消えな

いウイルス。 捕まえようにも海に消えた犯人。 迫る首都崩壊の危機。

主人公達に残された道は 日本中のレイバーを破壊するか? それとも

… と言うようなストーリーである。(ホントはもっと複雑だが) 

インターネットなんてもちろん、パソコン通信すらほとんどの人は知らない

くらい昔、もちろんWindowsも無い頃に考えられたストーリーだと言う事

を考えても 非常に完成度が高く、ウイルスメール程度で被害を受けて

いる現在、そして未来に対しての警告でもある …興味深い作品だ。

… さらにこの作品を面白く、内容に深みを与えているのは 犯人の

“動機” である。 優秀なプログラマーであり、高い給料を手にしている

にも関わらず、犯人は まるで廃墟のような、崩れかけた古い古いボロア

パートに住み、 同じような場所へ何度も引越しを繰り返す。 そのいず

れの家も 開発の嵐が吹き荒れる東京において、 埋め立てられ、ビル

建設予定地となり 近い将来取り壊される建物ばかり。 美しくそびえ立

つ 巨大なビル。 そのビルを汚い廃屋の部屋の窓から見上げながら 

… 犯人は犯行を決意してゆく。 自分の行動を 自分の名に似た 旧約

聖書の“エホバ” になぞらえ、 彼は欲望のままに景色を変え、海を埋

め、空を消してゆく人々に “聖なる鉄槌” を下そうと誓ったのである。

… 下町の昔ながらの民家の中に 突然ある日 巨大なビルが立つ …

娯楽映画と言うより、東京と言う “不思議な街” を舞台に、 1人の男

のメッセージを描いた作品と言っても良いだろう。

 

 俺達がこうして話してる場所だって、

 ちょっと前までは海だったんだぜ。

 

 それが数年後には、目の前のこの海に巨大な街が生まれる。

 でも、それだってあっという間に一文の値打ちもない

 過去になるに決まってるんだ。

 

  … たちの悪い冗談に付き合ってるようなもんさ。

 

 

 

『 地味だが深くて面白い 』  と言うスタンスは、続いて公開された劇場

版:第二弾でさらに加速する。 今度の敵はPKOで平和維持活動中に 

部下を死なせてしまった 元隊長。 それもそのはず、銃弾とミサイルが

飛び交う戦場へ出た彼に下されたのは “武器を使うな” “敵を攻撃する

な” “平和的に解決しろ” と言う 日本からの矛盾した命令だったのだ。

… 戦争とは何か? 平和とは何か? 帰国した彼は 闇に身を隠し、

綿密に計画したテロ活動を開始する。 ある日突然吹き飛ぶベイブリッジ

テレビ局、ラジオ局、電波塔、電話局、高速道路、空に浮かぶ致死ガス

入りの飛行船。 都市の弱点はピンポイントに 次々と破壊され、 東京

はその脆弱性を見事に露呈。 巧みな情報操作により警察と自衛隊の

間に生まれる深い溝と不信感。 そして霞ヶ関の官庁街、新宿などの繁

華街に溢れる自衛隊の兵士や戦車やヘリコプター。 だが、 “敵は何処

にもいない” … 通じない電話、 映らないテレビ、 ノイズだらけで何も

聞こえないラジオ、 静かな街、 戦車の横を歩きながら通勤するサラリ

ーマン。 何をするでもなく ただボーッと街に立ち尽くす自衛官。

映画の第二弾で、暴走するシナリオは ついに “レイバー” や主人公

達とはまるで関係のない方向へと突き進んだ結果(笑) 極めて思想的・

象徴的な事件を描き出す。

戦争でない状態を平和と呼ぶのか?(消極的平和) 構造的暴力の無い

状態を平和と呼ぶのか?(積極的平和)  平和過ぎて、平和を当たり前

と思い … ここが血の流れる戦場から 単に距離の離れた “後方” で

あるに過ぎない事を忘れ、 ブラウン管の向こうの銃声を “関係のない

別の世界の出来事” だと思っている国。 そんな国に “戦場と言う時間

を演出する事” … 犯人のメッセージはこれだった。 

テロリズムに意義はあるのか? この国の、この街の平和とは … 血ま

みれの なりふり構わぬ経済的発展に過ぎないのか? …まあ、大雑把

に言うと そんなような映画が 劇場版第二弾である。

 

「 ここからだと、

  あの街が蜃気楼のように見える。

 

                 … そうは思わないか? 」

 

「 たとえ幻であろうと、

  あの街ではそれを現実として生きる人々がいる…

  …それともあなたには、

            その人たちも幻に見えるの? 」

 

「 三年前、この街に戻ってから俺もその幻の中で生きてきた。

  そしてそれが幻であることを知らせようとしたが、

  結局最初の砲声が轟くまで誰も気がつきはしなかった。

 

 

                  ……いや、もしかしたら今も 」

 

 

 

ブラウン管の向こうで 突っ込む飛行機。 … そして崩れ落ちるビル。

それらはハリウッド映画のように非現実的で、まるで幻や嘘のようにあや

ふやに見える。 見ていると頭がボーっとして、 これが現実なのか、いっ

たいなんなのか よくわからなくなる。

テレビやラジオでくり返し推測される犯行動機、 犯人像、 テロリストの

主張、 人々の怒り、 単なる殺戮(ジェノサイド) 暴挙、 暴力で抑圧さ

れた感情、 そして構造的暴力を無くす事のできない国際社会全体のシ

ステム、 繁栄と貧困 … などなど。 流れる言葉は実に多量だ。

理解できるかもしれないが、言葉はいつもあやふやで そんなものが何

処にあるのか? 本当にあるのか? まるで 頭の上を漂う幻のようで

知らない世界の事のようで、よくわからないと言うのが本音だろう。

だが、たとえ空想の中の言葉に見えても、ブラウン管の中の出来事が

悪い嘘のように見えたとしても、吹き飛んだ飛行機と人々の死体。瓦礫

の山だけは紛れも無い現実だ。

 

態度は個人の自由だ。 思想も意見も人それぞれあって良い。 無いよ

りずっと良い。 動いても動かなくても好きにして欲しい。 言っても言わな

くても良い。 私はここでは言わない。 議論もしない。 

だが、 朝起きて ミサイルが飛んで来ない&飛行機が突っ込んでこない

私と貴方の毎日は、 この星では残念ながら 当たり前のものではない。

そして 当たり前と思えない日が来たのだ。 … それは最低限知ってお

くべきだろう。 ここがどんなに平和に見えても、人が人を殺す戦場から

“遠い” と言うだけの話でしかない。 私と貴方が繋がるように、貴方は

世界と繋がっている。 ブラウン管の向こうだからと言って “他人事” で

済まして、3日で忘れてしまっては … 突然命を失った多くの人々に、

あまりにも申し訳ない。 … 姿勢の話だ。 心構えの話である。

 

 

… 恐らくこの先、嘘のような 悪いジョークと思いたいような映像はまだ

止まらないだろう。 いくつか嫌な想像(シーン)も頭をよぎる。 “戦争は

ゲームだけで十分だ” … 虚しくなったらお仕舞いかな。

 

目をそむけ、涙を流し、祈るだけの時代は もう過ぎた。

 

… 知らない事が罪になる時代は近い。

 

 

 

「 戦線から遠退くと、楽観主義が現実に取って代わる。

  そして、最高意思決定の段階では、

  現実なるものはしばしば存在しない。

  … 戦争に負けているときは特にそうだ。」

 


「 何の話だね。

  少なくともまだ戦争など始まってはおらん。」

 

「 始まってますよ、とっくに。

 

  … 気付くのが遅すぎた。 」

 

 

 

 

 

 


騙してゴメンちゃい(笑)

 

9/11(火)

… 戦争はやだっつーとるのに

それとも トム・クランシーのフィクションか?これは … 

 

9/9(日)

どうも縁が無いと言うか … めぐり合わせが悪いと言うか … そんな気

分である。 時間ができて 『 おっしゃ、そろそろ行くか 』 と思った矢先

に急用が … とか、『 いざ出陣! 』 と靴の紐を結んで玄関を開ける

と土砂降り … とか。 何の話かって? … そりゃーもちろん



この話である。

いやはや … それにしても 夏休みが終わったと言うのに、凄いもので

映画の話となると 『 千と千尋 』 まさに一色。 A. I や ジェラシックパ

ークや ハムナプトラや サルの惑星の話もチラホラ聞こえてはいたが、

千尋が公開されてからは やれ千尋 それ千尋 ほれ千尋と 世の中そ

の話ばかりである。 それもそのはず 『 もののけ 』 を追い越す勢い

とかで、日本記録の後の敵は もうタイタニックだけと言う状態らしい。

まあ あんなクソ映画が第一位と言うのも恥ずかしい話ではあるので、

千と千尋には早いところ客船を沈めて、無かった事にしてもらいたい。

… それにしても不思議である。 いや、別に千と千尋が大人気な事が

不思議なのではなく、『 何故、俺がまだ見ていないのか? 』

が不思議なのである。 あなたもそう思うでしょう? … 私にも残念なが

ら 答えがよくわからない。 日頃のジブリ好き度は ハンパではなく、そ

んじょそこいらの輩に負ける気はしないし、 知識だって相当のもんだと

客観的に見ても思う。 この日記でだって 紹介やら解説やら感想やらを

書きなぐっているし 開店休業中の姉妹サイトでは 特別コーナーまで作

るつもりである。(信じて(笑)) 自慢ではないが、私の部屋のジブリ資料

コーナーは わりと国宝級のレベルである。 他にも散歩途中に実際に

東小金井のスタジオジブリに行って 何をするでもなく 眺めて帰るほど

病気ファンだ。 凄いでしょう?(笑) 凄いんですよ、我ながら。 あなた

は 宮さん(宮崎監督)が いつも立ち読みしてる本屋の場所知ってます

すか? 知らないですよね、 私知ってます。(←ストーカー)

じゃーなんで見てねーんだよ

なんででしょー? 定期的にジブリのWEB日記までチェックしているくら

いなのですから、公開日を知らないわけじゃーありません。(当たり前だ)

忙しいと言っても、学校や会社や親姉妹くらいだったら木っ端微塵に破壊

して 公開日の1ヶ月前から徹夜で並んで舞台挨拶込みで狂喜乱舞しそ

うなものですが、不思議とそういう気が起きないのである。

『 早く見たい! 』 『 何度も見たい! 』 『 誰よりも早く見たい! 』

普通のファンならば、そう思うのが普通だ。 ニュース番組や やたらと

放送されている特番で、 徹夜組のファンの人へのインタビューなどがあ

った時 … 『 茨城から来ました! どうしても初回の舞台挨拶が見たい

ので!』 『 待てないんです! 』 みたいな事を言って 情熱的に参加し

ている人が沢山いたが、 あれを見ていても 『 俺もやらねば! 』 で

はなく … 『 うれしいなぁ〜 』 などと トンチン

カンな事を申しておるのでありまする。>ワシ  …よくよく考えてみると、

恐らくあまりにも ジブリに突っ込んでしまったために、私の中の 『 お客

さん感 』 と言うものが気薄なのであろう。 勝手に身内感覚に陥ってい

ると言うか … 他人事とは思えなくなっているのである。 だから公開日

と聞いても、 『 公開に間に合っただけでホッとした 』 などと 何の関

係もないのに まるで関係者のような感想を持つのであろう。 … 例え

ば この日記を長々と読んでいる貴方が、 会った事もない私に対して

なんだか随分長い間 一緒に遊んでいる知り合い&友人のような気持ち

がしてくるのと似ているのやもしれん。(勝手に決めるな) であるからして

例えば 道でばったり宮崎駿を見かけた場合 … 普通の人ならば、

『 うわ〜!ファンなんです!握手してください! 』 とか言う反応をする

のが普通なのだが、自分の場合を想像すると 『 あ!宮さん! ○○○

の絵コンテ、順調ですか? 』 とか言ってしまいそうで…実に恐ろしい。

こちらがどんなに知っていようが、 向こうは私など 知りもしないわけな

のに、 『 あれ … この人だれだっけな? 』 と思われてしまう … と

言うか それはファンとか言う以前の 単なる変な人であろう。(笑) 

… 実に困ったもんである。 早急になんとかしなければなるまい。 (-_-)

そんなわけで、 全体的には 大ブームの騒ぎが少々すたれて、映画館

がすき始めた頃に、こっそり見に行ってじっくり静かに味わいたい スタン

スの私である。(としておこう) ジブリは私の中で “いの一番に” とか

“誰よりも早く” みたいな単語が似合わないのである。 (としておこう)

 

… ま、そんな軟弱勘違い野郎の戯言はともかくとして、 世間はそんな

日和見の老人のような人間にまことに容赦が無い。 何の話かって?

もちろん高度情報化社会が内包している危険要素についての話である。

情報と言うものは それ自体が生きている生物のようなもので、実に“知

られたがり”な生き物である。 厳密には知られた時点で “それ” が情

報と呼ばれるのだが、 難しい事はさておき 情報とは知られたがりな生

き物なのだ。 知られたくて知られたくてたまらない。 手段と隙さえあれ

ば、どんな方法を使ってでも 知らない人間に飛びかかってゆく。 その

証拠に 例えば新宿の歌舞伎町で火事が発生。 その瞬間、その場所で

発生した情報は、 周囲を歩いていた人々に次々と “知られたい!” と

感染し、 感染した人は 感染していない人に “教えたい!” と言う欲

求にかられまくり … すさまじいスピードで周囲に広がりまくり …結果と

して 火事が発生してから数時間の後には 東京から遥か遠く 北海道

や沖縄で ぼんやりしている人の耳にまで 火事が起こったと言う情報が

到達する世の中である。 昔は一ヶ月、一年かかった情報の伝達が 今

は 一時間。その気になれば一分でも到達できるのである。(IT革命か)

そんなわけで、光並のスピードで情報がびゅんびゅん飛び交う毎日。別に

知ろうとしなくても、窓から空から地面から。 壁も耳も手も通り抜けてあ

らゆる情報が脳味噌に届く今日この頃。 『 ほわ〜! 』 ってな具合で

情報の飽和状態。 情報が飽和すると 判断のための要素も飽和してし

まうので 決定したり 正しい事を判断したりする事が逆に困難になる。

競馬のデータを死ぬほど集める人の馬券が当たらず、適当にかったOL

が万馬券を手にするのと同じ。 自分で判断できない、右か左か決めら

れない人が増えてるのも 情報化社会の弊害の一種であ … 俺は何の

話をしてるんだ? … ともかく、千と千尋を見た人の中にある“情報”が

知られたい、知らせたい と 世の中を蔓延しているのである。 まだ見て

いない 私のような人間にしてみれば えらい迷惑。 しかし 最新テクノ

ロジーを駆使して 病的なまでに押し寄せてくる情報は容赦がなく、どん

な手段を使ってでも私の耳に入ってこようとする始末。 実に恐ろしいの

である。 … 『 聞かなきゃいいじゃん 』 と思われるかもしれないが、

現代社会で生活していて、それは不可能に近い。 例えば100年前の日

本でならば、 私が好きでもない歌手の曲が 大阪あたりで多くの人に聞

かれていても そんなことはまったく知らずに過ごせただろうが、 今では

浜崎なにがしだの、 グレイだの ミスチールだの なんだのかんだの、

流行の曲を “耳に入れずに過ごす” 事はかなり困難である。 聞かな

いように暮らしたら、 恐らくコンビにすら怖くて行けなくなるだろう。 物事

には常に表裏があり、 良い面があれば 悪い面もあるものなのだ。

… 当然 『 千と千尋 』 と言う映画を見る場合、 歴史映画でも 自伝

映画でもないので予備知識無し。 まっさらさらの状態で見るのが 一番

良いだろう。 先入観もできれば無いほうが良い。 だが、楽しむための

そんな当たりまえの “視聴者の権利” の確保が、現代では非常に難し

い。 うっかりテレビをつけようものなら、最新映画特集で 映画のシーン

がズラリズラリ … CMで面白そうなシーンが ズラリズラリ … ラジオ

をひねろうものなら パーソナリティーが最近映画を見に言って … と、

感想を話し初めて慌ててスイッチを切るハメに。 鳴った携帯電話に出て

みれば、 見終わって感動した友人が 感想話をずらりずらり … 本屋

に行けば、 千と千尋の特集を組んだ雑誌がそこかしこに。 ネットにつ

なごうものなら、 リアルオーディオで主題歌が流れはじめ、頼んでもいな

いのにレビューがそこらじゅうの掲示板に … ああ おそろしい。 これ

はもう情報戦争だ。 インフォメーションウオーだ。 俺は聞きたくない。

面白くなくなるじゃないか。 こんなに恐ろしい事になってるのに誰も気が

付かない。 アホちゃうか。 窓すら開けられない。 これから大切なのは

情報を集めた情報通になる事ではなく、 できるだけ情報をシャットダウ

ンする事ではないか? “知らない事が新しい” … 何かのキャッチフレ

ーズに使えそうだな。

情報は武器にもなるが、凶器でもある。 最近のインターネット上では狂

気にもなってる。 情報は商品であり、 情報は世界を動かす空気でもあ

る。 私はジブリマニアなので当然、テレビの千と千尋の特番番組や、特

集雑誌などは全部買ったり 録画したりしている。 もちろん映画は見て

いないので、ビデオも雑誌も中身はあけてもいない。 言わば情報のコレ

クションだ。 情報はコレクターズアイテムでもある。 コメンテーターや 

有識者、文化人なんてのは皆 情報コレクターだ。 コレクションの数で

ランクが変わる。 何も知らないオタクが オタク仲間の中でバカにされる

のと同じ。 そう考えると、ハードディスクなんてのは “情報ホルダー” だ

な。 そういえば Windows時代になって ディレクトリは “ホルダ” と

呼ばれるようになった。 ネットは “知られたがり” のカタマリであろう。

知りたくもない情報は コピーもされずに勝手に消える。 そう考えると、

良いWEBサイトを作るためには、製作者は情報通でなければならないと

言える。 人の知らない事、どうでも良いネタ、なんでもいいからいっぱい

知ってると良いサイトができる? その自信が無い場合は、 自分が情報

を発信せずに、情報自体が自然と集まる “情報にとって居心地の良い

スポット” を作ってしてしまえば良いわけだ。 あらゆる分野、信憑性や

確からしさなんて捨ておいて、スピード重視。 とにかく大量に、素早く 

てきとーに … おかげで 情報にとってすこぶる居心地の良い、某匿名

掲示板には 天文学的な情報が集まり、そして飛び散り、大人気である。

 

面白いと思ったら、 『 千と千尋の面白さを 誰かに伝えたい! 』 と言

う欲求があるのは構わない。 誰だってそう思うだろう。 だが、誰しもが

その情報を欲しているとは限らない。 それに 『 その人 』 と言うデバ

イスを通過した時点で、 それは俗っぽく、極めて個人的な 『 その人 』

の情報になる。 新聞もテレビもラジオもネットもすべて同じ。 広告代理

店も 映画会社の人でも全部同じ。 脳味噌も情報でできているのだか

ら、しょーがないと言えばしょーがない。 だが、楽しみを阻害されるのは

大いに迷惑である。 例えば 某マトリックスとか言う映画。 … 公開前

に 『 斬新な映像! 』 『 新感覚のSFアクション! 』 だのなんだの

と大騒ぎの大宣伝。 大多数の日本人なら、テレビだのなんだので 映画

のシーンを公開前に見ていただろう。 … ほら、 あの ジャンプキック

の途中でうい〜〜んと動く3Dのやつとか、ビルがうにょ〜んと 水アメみ

たいになるやつとか。 … 確かに あの手の宣伝を見て 『 おお〜 』

とか 『 面白そうだな〜 』 とか思うが、 実際の映画をDVDで見てビッ

クリ仰天! CMで使われたシーンばっか

なのである。 あのシーンも このシーンも 全部CMで知ってる。 何が

斬新な映像! 何が新感覚だ! 金かえせ!である。 ただでさえ中身

の無い映画なのだから、 凄いシーンの楽しみを取ってしまったら何が残

ると言うのだろう? シーン単体を見せただけだと言うかもしれないが、

先が容易に想像できる 陳腐な内容のアクション映画ならば、ビルが登

場した時点、 悪役が登場した時点で、 『 あ、 これは あのシーンに

繋がるんだな 』 と連想できてしまう。 面白くもへったくれもない。

確かに “売りのシーン” を宣伝で全部放出して、 『 面白そう 』 と思

わせた時点でビジネスは成功なのだろう。 映画館のチケット料金を払わ

せてしまえば、後は観客が感想をどう持とうが知ったことではないだろう。

にしても … である。 情報に善悪があるとすれば、視聴者にはとって

は悪意ある情報になるやもしれん。 “ジェラシックパーク・3” なんて怖

くて到底見に行けない。(笑) 新・サル惑星だって 見に行ってない人でも

何故か 『 ラストが以前と違って ビックリらしいよ 』 なんて情報を知っ

ている。 そんなんじゃあ、 映画館でラストに近づくにつれ … 『 これ

から予想外のオチなんだ… これから予想外のオチが始まるんだ… 』

と 思ってしまうだろう。 … 私が監督だったら首を吊りたい気分だ。(笑)

 

情報の波が押し寄せる時代を、 うまくサーフィンしたいのならば 情報に

のまれる事なく その波の上を乗りこなすテクニックが必要だ。 情報に

対するクレバーさが 21世紀の日本人には求められる。 自分にとって

必要な情報。 有益な情報。 自信になる情報。 そういったものを情報

海の中から選別し、選択し、洗練させる事が必要になる。 時にはすべて

のシャッターを閉じて すべての情報をはね返す事も必要になるだろう。

そして、そのためには尋常ではない努力も必要となる。 現に私はこれだ

け注意していても 『 千と千尋 』 のおおまかなストーリーをぼんやりと

想像できてしまう。(笑) 情報戦争に敗れ、 波に半分のまれかかってい

る証拠だ。(^_^;) 『 さっきから 何の映画の話をしてるんだ? 』 なんて

人がもしいたら、 その人は完全なる勝者。 英雄かもしれない。 (笑)

とにもかくにも、津波が毎日押し寄せる現代。 映画館で 『 おもしろくね

〜な〜 想像してたのと違うじゃん 』 なんて感想を持った貴方… 貴方

はもしかしたら、 情報にのまれ、 あなた自身が取るに足らない情報の

ひとつに同化して、流れて行ってしまったのかもしれません。(笑)

波が来ても崩れない 小高い砂の山になる事は容易な事ではありますま

い。 だが、映画も情報のひとつ。 そういう小高い砂の山でなければ、

新しい映画を生み出す事も、莫大なお金を動かす事も、人々の心を動か

す事も、できないのかもしれません。 

のまれたフリをして、 ほくそ笑みながら 情報を意のままに操る人。本当

の日本は、そういう人が動かしているのかも … 。

 

え? 誰が思い浮かびました? (笑)

 

9/7(金)

 

「 そうだ、死のう 」

 

「 … ちょっと … ほくまさん …

  6日も消えて 帰って来た第一声がそれですか?

  なにがあったってゆーんですか … 」

 

「 … いや、 JR東海の名作CM

  “そうだ、京都へ行こう” のギャグのつもりだったんだが … 」

 

「 ギャグに聞こえませんよ。

  嫌すぎです それ。 」

 

「 そうだ、

        LSDにしよう 」

 

「 旬なネタだからって

  なんでもかんでも言うのはやめてください!!

  さっきからいったい なんなんですか!

  後ろ向きな事ばかり言って!!

  この数日間に 何か嫌な事でもあったんですか!? 」

 

「 … 特にないんだがなぁ …

  なんつーか こう … ダルイんだよな。

  若者風に言うと “だり〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜”

  もしくは “だりるほーる&じょんおーつ” って感じかな。 」

 

「 ホントに思いつきで喋る人だな … 

  夏バテですか? この時期だと … 」

 

「 ん〜 … そうかもしれんな。

  なんかこう、 朝起きた時点で疲れてるっつーか

  足が重いっつーか …

  頭が重いっつーか、 心臓が痛いっつーか

  知らずに出血してるっつーか

  髪がバサバサ抜けるっつーか

  眼球が異常に飛び出して来るっつーか

  尿が青いっつーか … 」

 

「 今 119に電話しましたんで。

  白い車が来たら それに乗ってくださいね。 」

 

「 やだぁ〜 本気にすんなよ。

  そーゆー フィーリングだよ、フィーリング。

  しかし いかんな …

  やる事は沢山あるハズなのに、

  いい若いモンが バテたのなんだの言うのは。

  もっとこう … アグレッシブに!行動的に!

  この日記も 毎日起こった旬な話題を

  スパスパと 切り裂くように書かないとな。 」

 

「 今まで一度もスパスパした事ないですから、

  たぶん一生無理だと思いますけど … 」

 

「 だよなー …

  つーか さっきまで風呂ん中で ラジオ聞きつつ

  ジンジャーエール飲みながら あずまんがの3巻

  ボーっと湯船につかって読んでたのがイカンな。

  日記に覇気がまるで無い。 」

 

「 何しに風呂入ってるんですか、何しに

  ホラ、 ここ数日中にあった 面白い出来事とか …

  思ったこととか … 何かないんですか? 

  いつ来ても代わり映えのしないページを毎日皆さんに見せるのも

  申し訳ないじゃないですか。」

 

「 ん〜〜 … 最近の出来事ねぇ …

  あ!! そうそう!!

  フラッシュポイントクリアした! 」

 

「 また戦争ゲーネタですか。 」

 

「 つーか マルチでネット対戦するのが主目的のゲームで

  シングルプレイを最後までやるのも どうかと思うんだが、

  ほとんど映画みたいなゲームだからさ。

  シングルのほうは 一日に一個づつとか … 寝る前に

  ちょこちょこやってたんだよ。 」

 

「 にしても … 随分かかりましたね。 」

 

「 だってクソ長いんだもん。  

  洋ゲーだから死ぬほどムズイし。 」

 

「 あ〜〜 向こうのゲームは 容赦ないですからね〜 … 」

 

「 ドリキャス浮気して 和ゲーにうつつを抜かしてた身としては

  キツイカウンターパンチだったな。 20回くらいやり直した

  ミッションとかあったし。 」

 

「 でも 最後までやったって事は 面白かったんですか? 」

 

「 おうよ。

  全体がヨーロッパ(チェコ)の灰色トーンで、

  お世辞にも爽快感があるとは言えず、

  自分が最後まで主人公にはなれずに、一発の弾丸で簡単に死ぬ

  戦争と言う出来事の中の 1人の兵士に過ぎないけどもな … 」

 

「 逆にそれが良いと? 」

 

「 ああ、新鮮だな。

  ハリウッド映画の戦争ものや、和ゲーの戦争ものに慣れた頭に

  現実と言う冷水をぶっかけられる気分だよ。

  やっていて 己の未熟さと言うか … 人の愚かさと言うか …

  そういうものを感じたなぁ … 」

 

「 ゲームの感想じゃないですな。 」

 

「 まー ゲームじゃーないな。

  戦争シミュレーターだな。

  … いや、 戦場シミュレーションか。 」

 

「 戦場シミュレーション? 」

 

「 例えばさぁ、 戦争ゲームったらさ、

  ラウンド@が始まって、 敵のボス … 例えばデカイ戦車とか

  将軍とかをやっつける話になるわけじゃない? 」

 

「 ええ。 」

 

「 ゲームにはスタート地点がしっかりあって、

  大なり小なりコースがあって、 途中にザコ敵やら中ボスやら

  いろいろ こう出て来るじゃねーか。 」

 

「 ですね。 」

 

「 でも このゲームはさ、 コースなんて何も無く …

  あるのはただバカデカイ大地と、敵だけ。

  その状況の中で、 体と頭と手の中の銃と弾だけで

  何をしても良い、何をすべきか? 何ができるか?

  それを考えるわけだから … 戦場シムだろうなぁ … 」

 

「 何をしても? 」

 

「 ああ。

  例えば 自分が隊長の部下の 新米兵士だったら、

  敵のところへ進む仲間の列から 命令を無視して

  まったく逆方向に走って逃げても、 逃げられるしゲームは

  終わらない。 」

 

「 そ … そんな … 」

 

「 いや、戦車とかが向こうの丘から出て来て

  恐ろしくなって 仲間見捨てて逃げるなんてしょっちゅうだったよ。

  逃げて逃げて、 胸につけた無線機からは

  “ほくま3等兵! 貴様何処いくんだ!戻って来い!”

  って聞こえるんだけど、 振り返るのも恐ろしくて

  銃声と悲鳴とキャタピラの音から逃げたくて 野を越え山超え …

  1時間以上走りつづけて、 どこだかわからない海岸の、

  住民が疎開した後の空家の テレビのある部屋のテーブルの下に

  震えながら隠れたりできるゲームだし。 」

 

「 ゲームじゃないっすね、もう 」

 

「 … 恐ろしいのがさ、

  それでもゲームは終わらないんだよ。

  テーブルの下で震えてても 時間がたてば日は暮れて夕方になり、

  そのまま そうしてれば夜にもなる。

  無線では 誰が死んだとか どこかに敵がいるとか

  隊長が死んだとか 誰かが言ってるけど、全滅したら

  何の連絡も入らなくなる。 」

 

「 こわ!!! 」

 

「 そんでさ、夜の10時ぐらいになって

  こんな所にいてもしょうがない … それに

  もし敵がここまで来たら … とか変な事考え始めるだろ、

  そうすると 突然、 誰もいないのに 街の片隅の教会の鐘が

  ゴーン!! ゴーン!! とか 鳴るわけよ。 」

 

「 こーーーーーわあああ!!!! 」

 

「 家から恐る恐る出てさ …

  民家に明りはついてないけど、

  街灯だけはついててさ …

  でも 明るい場所にいると 何処かから誰かに狙われてる …

  みたいな気がしてきてさ。

  慌てて街の裏の山に登って隠れたりするわけ。

  んで、 手にした双眼鏡で 遠くの道とか山の方とか見てさ …

  あ〜 … あの山の向こうにみんないるのかなぁ〜 … 

  みんな死んじゃったかな …

  あそこまで 敵の戦車隊がもう来てるかもしれない … 

  とか やな事ばかり考え初めて … 」

 

「 よくやってましたね、そんなゲーム 

  いや 戦場シミュレーションか。 」

 

「 ゲームっちゃー ゲームなんだけどさ、

  自分のやる事が 現実的なんだよな。

  よくさぁ、日本のロープレを 主人公に感情移入しながらやるとさ、

  突然街の外に 安物の木のこん棒とか フライパンの盾とか持って

  冒険に出たりするじゃん? 」

 

「 ええ … スライムとか デカイカラスとか

  熊とかと戦ってますよね。 」

 

「 あーゆーゲーム然としたものとは、

  まるで考え方が違うんだろうな。

  だって 普通自分だったら、 木のこん棒持ってるからって

  熊と戦うか? それ以前に ご飯は? 地図は?

  寝床は? トイレは? マッチは? ライターは? 」

 

「 ま〜 ロープレに突っ込んでもしょうがないですけどねぇ … 」

 

「 ロープレが悪いわけじゃないけどさ、

  よく 日本のRPGはネタが尽きたとか、面白みがないとか、

  マンネリだとか言われてるじゃない? 」

 

「 ええ。 」

 

「 だから 戦闘方法にパズルを引用したりさ、

  映画チックにしてみたり いろいろやってんだと思うけどさ、

  それ以前に “冒険のリアリティ” を真面目に追及すれば

  RPGってのは 本来 ネタが尽きたり、飽きがきたりするほど

  低レベルなものじゃない気がすんだよな。 」

 

「 ほほう … 具体的に言うと? 」

 

「 つまりさ、 プレステ2でグラフィックがさらに凄くなるのは良いけど、

  俺としては そのパワーをリアリティに向けて欲しいわけよ。

  こん棒で熊をぶったたくには 熊の爪の届かない範囲・・・

  たとえば背後から行かなきゃならないとか、

  あんな動物ぶったたいたら 逆に 自分の手に こん棒の木の

  ささくれ立った部分が突き刺さって 手から血が出るかもしれない。 」

 

「 いやすぎです 」

 

「 それ以前に、 夜 町の外で野宿する時に

  オオカミの群れとか 熊とかに教われないように

  変わりばんこで 見張りをしたり、焚き火をたいたり …

  1人の時は 背後の森のざわめきとかに驚いて

  バッと振り返ったりしたいわけよ。 」

 

「 こわ!! 」

 

「 女性キャラを仲間にしたらさ、

  夜に 焚き火で 野ウサギとかで料理してくれて、

  それまで 木の実とか 硬いパンとかしか食えなかったのが

  美味しい料理を食べられるようになって感動したり、

  高い山の上の 悪い魔物をやっつけに行く途中、

  岩場のくぼみで野宿してると … はるか雲の下に

  後にしてきた街の明りがほんの少し見えて …

  ああ … あの宿の奥さんは親切だったなぁ〜 とかさ、

  明日は山を無事に降りて、

  白いシーツの上で寝られるのかなーとかさ、

  こんな怖い冒険 もうやめたいなー とかさ

  そーゆーのを考えてしまうような事も冒険の一部だろうし、

  そういうリアルな冒険ができるように、

  ゲームも進化すれば、マンネリもしないと思うわけよ。 」

 

「 つまり … いろんなものをリアルにして、

  わざわざイベントとか モノローグとかを文字で流さなくても

  自分からそういうのを 役になりきって想像してしまうような

  生っぽいゲームもやってみたいと? そういうわけですか? 」

 

「 ズバリそうだな。

  洋ゲーメーカーにできて、ゲーム王国日本にできないわけがない。

  受けるか 受けないかは知らんが、

  新鮮味があって良いとは思うがね。

  萌えキャラも結構だし、

  マネキンみたいなカッコいい美男子も結構だけど、

  いくら姿カタチが人間っぽくなっていっても

  匂いや温度や柔らかさみたいなものを感じられないストーリーじゃあ

  いつまでたってもマネキンのままだと思うよ。 」

 

「 何に対してのコメントかは あえて名言せず … と (笑) 」

 

「 フラッシュポイントでさ、

  深夜 将軍の家に忍び込んで、

  重要ファイルを盗み出すっつーミッションがあんだよ。 」

 

「 ええ。 」

 

「 まわりは敵の兵士だらけ。

  自分は将軍の家の前の草むらに這いつくばって

  身動きひとつせず チャンスを待つわけよ。

  時折 足のすぐ横をデカイ戦車のキャタピラがかすめていってさ …

  真っ暗だけど 焚き火がいくつかあって、

  敵の兵士が楽しそうに大勢集まってなんかやってんだよ。 」

 

「 盗み出せないじゃないですか 」

 

「 見回りとか みんなの向いてる方向とかを観察してさ、

  何十分 … 何時間 … チャンスを待つんだよ。

  んで “いまだ!” って ゴキブリみてーに這い進んで

  家の中に入るだろ?  するとさ … 突然明るい場所に

  入ったから 何がなにやらわからず …

  ファイルを手に戻ろうにも、 一瞬玄関がどっちだったか

  わからんわけよ。 」

 

「  ええ。 」

 

「 慌てて玄関見つけて駆け寄ると、

  外を兵士二人が横切ったりして 

  慌てて横の部屋に飛び込んで隠れたりしてさ …

  んで また家の外に出て … 基地に帰らないといけないんだ。 」

 

「 こわ!!!

  … でしょうね … 」

 

「 プロならさぁ、 帰りも冷静に、 茂みから茂みへ …

  闇から闇へ … 死角から死角へと 落ち着いて ゆっくりと

  着実に帰りそうなもんじゃないか? 」

 

「 ええ … だって見つかったら殺されるじゃないですか、

  私だってそうしますよ? 」

 

「 それが無理なんだよ!!

  ファイルを手にしたら、 その基地に来るまでの苦労とか

  家に入るまでの苦労とかが 達成感で一気に爆発して

  緊張感がなくなっちゃうんだよ、

  んで、 “もう何がなんでも 俺はこの場から逃げたい!”

  って 思うようになっちまって、 茂みに隠れるのも早々に

  もう 無我夢中、 後ろも振り返らずに 闇の中を

  敵のいないほうへ いないほうへ

  立ち上がって全速力で走っちゃうわけよ。 」

 

「 で、案の定 … 」

 

「 サイレン ビービー!!

  敵の兵士が バンバン撃って着て 耳元銃弾ヒュンンヒュン飛んでさ、

  半泣きでジグザグに走ったところで 前から戦車だよ。

  強烈なライトを当てられて

  “ あ ・・・ あひひあひあひひあひ ”

  と 尿でズボンを濡らしたところで

  ズドーン!!! 」

 

「 ほくま兵士は 肉になりました ・・ と。 」

 

「 その時 … やみくもに走ってしまう心理 …

  まあ 自分の心の弱さだよな、そーゆーもんと

  背中に感じる ムズムズ感 … わかる?

  ホラ、 すげーーーー高いところとかに登ってさ、

  下を見下ろすと “ひょええ〜〜!!!” と思って

  足の裏とか 足元がムズムズするじゃん?? 」

 

「 あ〜!しますします!! 」

 

「 あれが 背中全体に ぞわぞわぞわ〜!

  っとするんだよ、 それが 現実のサバゲで

  背後に敵がいるのに 逃げる時の感覚とまるで同じでサ、

  いやぁ〜 ゲームなのに ゲームじゃない。

  そこが面白いんだなぁ〜 … と 思ったってワケ。 」

 

「 なるほど〜 … 」

 

「 4スピーカーでやってたから 特にそう思ったのかもな。

  ヘリが背後の遠くからこっちに飛んでくる時なんて

  座尿ものの怖さだったよ。 」

 

「 やりたいような … やりたくないような … ですね。

  でも 確かに面白いか?面白くないか? といわれれば、

  マンネリ化したゲームより 忠実で優しくないシミュレーションのほうが

  面白いのかもしれませんね … 」

 

「 ああ、 人を選ぶかもしれんがな 」

 

「 … にしても …

  長々と喋りましたねぇ〜 … 夏バテとか言いながら

  結構言いたいことあったんじゃないですか。 」

 

「 まー 点火しちまえばな。

  やる気出てきたらか、 更新も頑張ろう … 」

 

「 お願いしますよ、ホントに。 」

 

「 あ、そうそう … 最後にまた

  フラッシュポイントネタなんだけどさ 」

 

「 なんです? 」

 

「 エンディングの最後に おまけがあってさ、

  平和になった後 … 主人公(自分)が、

  愛用のセスナ機で 戦った島に飛んでくんだよ。 」

 

「 へ〜 」

 

「 もちろん それも俺が操縦しなきゃならないんだけどな。(笑) 」

 

「 平和になったたのに 着陸に失敗したら死んじゃうんですか? 」

 

「 シミュレーションだぞ、もちろんだ(笑) 」

 

「 ひええ〜!! 」

 

「 んで、車を借りて 戦時中にお世話になった仲間の兵士達が

  いろんな基地とか町とかにいるのを1人ずつたずねて行くんだよ。 」

 

「 へ〜 … いいですね〜 」

 

「 んでさ、もちろん 車で20分のとこにいるやつの所に行くには

  現実も二十分自動車を運転しなくちゃならないんだけどさ、

  戦時中は1台も見なかった 普通の自家用車が対向車線を

  走ってきて すれ違ったりするわけよ …

  農地では トラクターが田植えしてたりさ … 」

 

「 ええ 田舎の風景ですね … 」

 

「 ハンドル握りながら、 もう先の道に敵の戦車とかがいるかも …

  って心配をせずに アクセルを踏める楽しさ。

  自分が軍服を着ていない安心感。

  乗っている車が ジープとか戦車じゃない心地よさ。

  窓から外を見て あ〜 良い天気だなぁ〜 とかも思うわけよ。 」

 

「 平和ですね〜 … 」

 

「 そうそう!! それよ!それ!!

  何のメッセージも表示されないけど、仲間がバタバタ死んで行った

  大地を そういう風に走れる事で 平和のありがたみっつーかさ …

  そういうのを実感できるわけよ。

  あ〜 ただ風に吹かれるだけって事も、 幸せだったんだなぁ〜って。

  戦争はいかん。 二度とやってはいかんと思いながら、

  戦友達をさそって 最後にみんなでバーに行くのよ。 」

 

「 へ〜! 粋なソフトですねー! 」

 

「 スタッフロールデカデカのアメリカ映画とか

  派手派手なゲームとは まるで違うんだよ。(笑)

  夕暮れのバーのドアを開けて、客の笑い声と グラスの音に、

  自分と戦友の姿が消えて、 パタンとドアが閉まって 終り。

  … 実に粋で … 感慨深い … 良い最後だったな。 」

 

「 やっぱり チェコですから …

  反戦メッセージのゲームなんでしょうね … 」

 

「 それを どういうメッセージととるか?

  それが人それぞれなのも、

  シミュレーターの特徴なのかも しれないな。 」

 

 

9/1(土)

ただいまです。 (^_^;)

3日も日記をあけてしまい… 申し訳ございませんでした。 m(__)m 金曜

日恒例のチャットにも出れずに… マコトにあいすんまへん。m(__)m ちと

家がゴタゴタしていたのと、涼しくなってきたので 帰らぬ旅などに出たの

と、いろいろあっていろいろでした。(笑) ノートパソを父親が購入した話

とか、戦争映画の話とか、美味しい蕎麦の話とか いろいろするつもりだ

ったんですが、9月になっちまいました。(^_^;) まあ、8月の後半は日記の

書きすぎでパンクしてましたんで サーバーの休養をとったと言う事で(笑)

とりあえず、書き終えるつもりのエヴァ小説を3つ。なんとかします。(^_^;)