98 99 2000 ⇔ 2001
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
6月1日〜18日6月19日〜30日

 

 

6/30(土)

一生懸命書いて ようやくゴールが見えたのに、“打倒パイオニア” と言

いながら “○○シーン” が無い事に気が付き 大ショック!! (笑)

泣きながら なんとしても中に組み込むべく考え中。 伝統は守らねば!

 

6/29(金)

まったく身に憶えがないのに、突然こんなメールが来た。(笑)

 

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こんにちは


 あなたのメッセージ掲載を拝見して、思い切ってメールを出
すことにしました。私は"サミイ"というニックネームの24歳
のネット初心者です。インターネットを通してのときめく出会
いを求めたくてお返事のメールを書いています。どうか私を気
にいってくださるといいのですが…。
 短大を卒業して以来、男性とのお付き合いはありません。外
見よりも内面的な優しさや包容力のある方との出会いを求めて
います。また、一人暮らしなので頼りがいのある男性とメール
でのやりとりやお会いしたいと考えています。そのためには身
元確実な誠意をみせていただける方が第一です。匿名性がメー
ルの利点でもあるわけですが、長くこうした状態を続けること
は個人的には好きではありません。そういう意味でサミイはア
ナログ的な女です。どうか、正直に本当のお名前・偽りのない
ご住所・お仕事内容などの自己紹介をきちんとしていただける
方で私のことを気に入ってくださるようでしたら、あなたのご
希望に沿うよう私も誠意を持って接することができると思いま
す。


  カンタンな自己紹介
 本名:原田 さやか
 年齢:24歳
 住所:杉並区今川−11−2−103
 電話:(次回以降にお教えしますね)
 出身:愛知県
 身長:158cm
 体重: 45kg
 BWH:85/58/86
 賞罰:地方の「ミスきもの」に選ばれたことがあります
 趣味:ダンス(ヘタだけど)・カード占い(良く当たるんですよ)
 仕事:コンピュータ関連会社のOL(総務担当)
    コンピュータの知識はほとんど、ありません


              原田 さやか  ※ ○は意図的に伏字

==============================

… あれれ? 間違いメールかな? … とりあえず さやかさんに

お返事を書かないと可哀想だな … “間違いですよ?” って。 

あれ? … もしかして … 

いっつあ!ゆーがった

めーる!(≧▽≦)/

お洒落な巴里ジェンヌ

でオフランスな恋愛が

始まる予感でしゅるぶ

ぷれ〜!!   ・・・は、さておき

ネズミ講とかチェーンメールとか、詐欺まがい行為と言うのはなんでもそ

うだが、やろうと言う人には まず前提として人を騙せる程度の(騙す人

よりも高度な) “知能と技能” が必要になるハズだ。 観客よりも手品

が下手な手品師がいないのと同じである。 昔は口八丁手八丁、あとは

身なりと 顔つき … くらいが “詐欺師のスキル” として必要だったと

思われるが、現代のネット上でも必要な 程度の差はあれ要素はあまり

変わらないように思える。 なにしろ喋り方もそうだが、文章と言うもの

には その人の知性や品位の程度と言うのが 恐ろしいまでに赤裸々に

出てしまうものである。 少なくとも、この どこかの暇な人が製作した

“個人情報収集手段” には及第点はあげられない。 原田さやかなる

キャラ(笑)の設定や練り込み。シミュレートがまるで足りないと同時に、

肝心の文章作成能力が無いと来ている。 どうせならば文章を書く前

に、私生活や思想… 服装や行動まで年頃の女性と完全に同化してみ

て、何ヶ月か 別の人格で生活してみる。時折自分の名前を “原田さや

か” だと言い間違えてしまうほど作りこむことが必要になろう。 むしろ

本当に1人の女性と化して “ネットで恋人を探そうかな” と言う気持ち

になり … 何通も真剣にメールのやりとりをした後で ふと 『 そういえ

ば詐欺に引っ掛けるつもりだったんだ、アタシ 』 と思い出すくらいの根

性は見せてほしい。 私ならばこのメールに引っかかる男の 100倍く

らいは引っ掛けてみせる。(笑) その気になれば世界はおろか、人間

だって 人生だって作り出せる文章を あまり甘く見てはいけない。

要するに 怪盗ルパンのような 鮮やかで知的で人々の裏をかき、手を

汚すことなく 莫大な富を盗み出すような事件がまったく起こらずに、そ

こらへんのワンカップおやじが セブンイレブンに包丁持って入って5千

円強盗して先の人生すべてを棒に振るような事件ばかりが起こるのは

そんなに優れた犯罪を計画し 実行できるような人間は 別に犯罪に手

を染めなくても十分幸せに暮らせるように世の中はできていると言う事

である。 つまり 『 俺は天才だ 』 と思い込んで 自分がこれから行う

犯罪を、完全犯罪にできる自信があったとしても、実際にそれをやって

しまったり、 やらないと にっちもさっちも行かないような状況に追い込

まれていたりする人と言うのは 実はまるで天才ではなく どちらかと言

うとバカと言う事になるわけである。 … 殺人もチェーンメールも詐欺も

実際にそれをやる最終段階に来た人と言うのは 必ず、 そこに至るま

でに 自分で何かミスをしているハズである。 素直にそれを認め、反省

し、自己を見つめなおして再発防止に勤め、償い、より良いランクに上が

るためにもう一度努力をしてみるのが望まれる姿である。 … と 言う

わけで、 まことに申し訳ない&残念ではあるが、 例え 『 ミスきもの 』

に選ばれた美女とは言え、 自分のミスを棚にあげて 無理矢理の犯罪

行為で ズルをして軌道修正するのような 非常識な亜人間(デミ・ヒュー

マン) の人とは お付き合いするつもりが今のところない私である。

(でも 住所書いてあんだよね、これ。(笑))

 

※ よーやくガチャポンあずまんが第二弾コンプリ完了!(≧▽≦)/ らんまに時間がかかったので、遅くなってしまいまった。(T▽T) ねここねこが可愛いな〜さくら3の攻略
本(ドリマガ)下巻ゲッツ!よーやく8話に進めるぞい。OFP … エイブラームス(本場発
音)が強すぎる。(笑) 砂漠をこいつの大群で砂煙を上げながら爆走する姿は失禁もの
の格好良さ。 敵に回るとリアル失禁。(笑)

 

6/28(木)

時間があまりなくて、サクラ3も6話で封印したままだと言うのに 秋葉原

を通りかかったら ついつい オーバートップで OFP (Operation Flash

Point ) の欧州版(並行輸入)を買ってしまいまった。(笑) … ゲームそ

のもののデザインも 色使いも非常にセンスが良くて素晴らしいゲームな

のですが … パッケージも馬鹿みたいにデカイPCゲームの標準的な箱

ではなく、DVDのトールサイズを採用してたりして お洒落でナイスだす。

総括すると玄人向け。 日本語版が何ヶ月か後にリリースされますが、洋

ゲーをやり慣れた人向けです。 過去にレインボーシックスシリーズやデ

ルタフォースシリーズ。 ヒドゥン&デンジャラスやCS(カウンターストライ

ク)やSWAT3なんかを楽しく遊んだ経験のある人には問答無用でお勧

め。 逆にクエイクシリーズやアンリアルトーナメント プロジェクトIGIあた

りの “ザ・アクションゲーム” みたいなものが好きな人にはツライものが

あるでしょう。 あと 怖いゲームが嫌いな人。 心臓が弱い人にもあまり

お勧めしません。 しかし そういう人のほうが “楽しめる” と言う考え

方もありますが。(笑) もちろん ミリタリーマニアは必須。 押井監督好

きも必須。 それと、PCでゲームをほとんどやった事がない。 やったとし

ても国産のゲームばかりだと言う人も “映画好き” なら話は別です。

プライベートライアンとか シンレッドラインとか プラトーンとか 山猫とか

ああいった映画に 心を痛めつつも感動したり、無骨な戦場に興味を持

ったりした人はチャレンジしてみても良いと思います。 はっきりいって映

画そのままです。 どこを切り取っても絵になります。 それと、エアガン

なんかが好きで サバイバルゲームと言うものをやってみたいけど、めん

どうくさいし 仲間もいないし やる場所もないしで経験した事の無い人。

昔はよくやったけど最近はやってないなぁと言う人にもお勧めします。


(ギリースーツに身を包み、草むらと一体化した米陸軍スナイパー)

まあ、簡単に言うと 小心者で感受性の高い生半可なミリタリーオタクが

本物の戦場に放り出されて 失禁&発狂&泣きながら逃げ惑うためのゲ

ームです。(笑) 舞台は冷戦です。 現代の “IF” ですので、アメリカや

ロシアのほぼ現行の兵器が登場するのが特徴。 軍隊とか兵器とかは興

味あるけれどさっぱりわからないと言う人には ミリタリー教科書としても

使えるかもしれません。(嫌いになるかもしれませんが(笑))


(夕暮れに 米軍基地を襲いに行く Mi24 重武装攻撃ヘリ 通称“ハインド”)

自由度が恐ろしく高く、登場する輸送トラックやら戦車やらヘリコプターや

らジープやら爆撃機やら街の誰かの家に置いてあった自家用車やら(笑)

なんでも乗れます。 もちろん追突すれば交通事故で死にますし、ガラス

も割れますし、同乗者も血だらけ。 もしあなたが大勢の兵士を戦場へ送

る輸送ヘリのパイロットの役になったのなら、 責任をもって目的地まで

飛ばし、安全に着陸させるのが仕事。 ミスして山に激突したり、海に落

ちれば仲間の兵士もろとも全員死亡です。(笑) (マルチプレイで、友達

とチームを組んでやってる時には 生で大勢の人間に怒られるでしょう)

もちろん限りなく本物に近い リアル指向ですから、銃の取り扱いにも注

意しなければなりません。 照準の合わせ方。距離や風の影響。 弾の

種類や扱い方。 もちろん味方に当たれば味方は死にます。 味方が打

つ弾の軌道に不用意に身をさらせば、あなたも死にます。怪我をすれば

痛みで集中力が低下し、照準はフラフラと定まらず … 全速力で走った

後は バクバクと心臓が悲鳴をあげて正確な射撃はできません。 自由

度が高いので、例えばみんなに作戦の説明をしている自分の上官をい

きなり射殺する事も可能ですが、そんな事をしたら周囲の全員に“スパイ

か!”と思われて即座にあなたが射殺されます。(笑) 超人的にゲーム

の上手い人であっても、 銃しか持っていない時に戦車に出会ったら、逃

げ惑うか 草むらで息を殺すかしかありません。 戦ったり見つかったり

したら、即座に主砲によって木っ端微塵。 あなたの死体は上空数十メー

トルをゴミのように飛んで粉々です。(笑) 又、運良くRPGやLAWなどの

携帯対戦車武器を持っていても 一発で仕留められなかった場合や、二

台いた場合。 ハズしてしまった場合などは 即座にあなたの隠れていた

場所に主砲が炸裂。 例え直撃しなくとも、周囲に着弾すれば衝撃波で死

にます。(笑) (死んでばっかりのゲームやな)


(現米軍主力戦車 M1A1 (エイブラムス) 悪魔のごとき強さ。夢にみるほど怖い。(涙))

戦場では常に耳を澄まし、双眼鏡で周囲を伺い … 草むらから草むらへ。

木の陰から木の陰へと移動しなくてはなりません。 数歩進んだら地面に

伏せ、ゴキブリのように這いずりながら進み … また 次の隠れ場所へ。

不用意に立ち上がった者から先に、敵のスナイパーが何処から放ったかわ

からない銃弾一発で脳味噌を撒き散らして死にます。 ついさっきまで、輸

送トラックの中で楽しそうに喋っていた味方兵士の死体の隣で、 あなたは

地面にへばりつき 双眼鏡にかじりついて いったい何処に敵の姿がある

のか探さねばなりません。 相手を殺すか、相手の死角に入って逃げるか

どちらか早くしなければ 次の銃弾は恐らくあなたの背中を貫通する事で

しょう。 見通しの良い昼間の草原とは限りません。夕方の起伏の激しい

山。霧の濃い雨の日の森の中。虫の声がうるさい 深夜の漆黒の闇の中。

頼れるのは味方と、隊長しかいません。 しかし 味方が死ねばあなたは

1人。 隊長が死ねば、位の順序からいって 指揮をとるのはあなたにな

るかもしれません。 味方はあなたに指示を求め、 あなたにすべてを委

ねます。 命令が不適切、遅い、間違えば味方は次々と死にます。 もし

戦場であなたが1人になってしまっても戦争は終わりません。 地図とコン

パスを手に、近くの基地。 仲間の軍隊がいる場所へ帰らねば死んでしま

います。 しかし地図とコンパスも落としてしまったら? まわりが真っ暗の

夜だったら? … 最悪勘をたよりに 夜空の星座から方角を読んで歩か

ねばなりません。 (なんつーゲームだ)


(Carl Gustav Launcher (誘導弾仕様) で戦車を狙う米軍兵士)

真っ暗な中を遠路はるばる歩いて、クタクタになり … ようやく道路とおぼ

しき場所にたどり着き、座り込んでしばしの休憩。残りの弾はわずか10発。

ライトで周囲を照らすも、見覚えの無い道で ここがどこかもわからず …

仕方がなくて とりあえずどっちかに歩き出そうと思った頃 … 気のせいか

遠くで キュラキュラと鉄の軋むような音がする。 周囲の黒い山々を見ても

何も見えない。 次第に反響しつつ その音は大きくなってくる。 輸送トラッ

ク? 民間の車? もしや戦車? 敵軍か?味方か? … などと言う、実

際にそうなったら “半泣き決定” な状況が “シナリオと無関係。と言うか

自分の行動の結果起こる(笑)” まことにデンジャラスなゲームです。(ゲー

ムではない) もし 道路脇のくぼ地に隠れて様子を見たり、 周囲の丘に

駆け上がってあたりを見回す事にしたとしても、遥か遠くの道路をこちらに

向かってやってくる物体を覗いて “それが味方のものか?敵のものか?”

がわからなくてはなりません。それは兵士にも同じ事が言えるのであって、

敵と味方が入り乱れて戦っている場所に あなたが遠くから援護するような

時には、 装備している武器や服装。 発砲している銃の音などで、敵と味

方を区別しなければ とうてい人間の視力では違いがわかりません。(笑)

戦場の英雄を気取ってバタバタと撃ち殺していたら、それが全部味方だっ

たなんてのも起こりうる事故なのであります。(誤射というやつだな)


(勝てるわけがない。(笑))

リアルであるがゆえ、ゲームにありがちな “超人的な活躍” ができない

ので、 “チームプレイ” が非常に重要になります。 コンピューターの動

かす “AI” も非常に出来が良くて、味方としても 敵としても不足はあり

ませんが、やはりインターネットを介した他人との協力プレイや 対戦プレ

イが最高に面白いと思われます。 友達や見ず知らずの人と小隊を作っ

たり、 親友Aがドライバー。 親友Bがコマンダー。 自分がガンナーと

なり、 三人で一台の戦車に乗り込んで戦場を暴れまわるのも良しです。

(3人以上いないと戦車の役割分担ができない) … とりあえず “本物

やサバイバルゲームの戦場の雰囲気” を再現したゲームとしては過去

最高の出来。 そして色使いやディティールなどの トータルでの写実的

な美しさも特筆の作品です。 自分は勇気があると いつも思っているけ

れど、実際どうなんだろう? と言う疑問は即座に解決します。(笑) そ

して勇気だけでしかない人間は真っ先に死ぬ、戦場と言う場所の厳しさ。

空虚さ。そして “冷たさ” をとてもよく表しています。 名前はもちろんの

事、顔のディティールやメガネの有無。 喋り方や声の高低・トーンなどな

ど … 非常に細かくキャラクターの作成もできますので、 戦場における

自分の分身を作る事も可能です。 … はたしてあなたは 有能なる兵士

になる事ができるのか? そして “戦争” に対して どんな考えを持つに

至るのだろうか? … それは やってみてのお楽しみと言う事で。

( え? やりたくもないって?(笑) ごもっとも。 (^_^;))


(深夜の前線基地)

※1

ちなみに 無線から聞こえる友人の断末魔や救援を呼ぶ声を、命が惜

しいばかりに無視したり … 押し寄せる戦車や攻撃ヘリの群れを見て、

仲間を置いてジープで逃げ出したりして友人関係や恋人関係に亀裂が入

ったとしても一切責任は持ちません。(笑) できるなら、プレイする前に

名画 フルメタルジャケットの前半くらいを見て “兵士の心得” を学んで

からプレイするくらいの 覚悟と遊び心が欲しいところでありますな。

※2

ゲームとしては最新ですので ギガクラスのCPUと 256MBくらいのメモ

リ。 ジィーフォース3とは言いませんが、GF2クラス。もしくはVoodooの

最後の残党くらいは装備してないと “快適” とは言えないかもしれません。

ある程度の解像度やフレームレートでプレイするのならば、私のマシンの

スペックが “最低限” と言っても良いかもしれません。(プロフィール参照)

まあ、今のご時世 スペックアップなんて楽勝ですけどもね。(笑)

 

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http://www.osk.3web.ne.jp/~tunami/html/ofp/ofp_home.htm
http://www.codemastersusa.com/flashpoint/front.htm

http://www.muranon.com/of/index.shtml

http://www.seventh.com.au/ofp/
 cool !!
http://www.messe.gr.jp/overtop/

http://www.operationflashpoint.com/

http://www.ensof.com/

 

6/26(火)

「 どうでも良い事なのだが … と言うか、それを言うなら

  どうでもよくない事をここで言った事など一度もないのだが、

  まあ そんなことはどうでも良い。 」

 

「 ただでさえ梅雨でジメジメしてるってのに、

  うっとおしい喋りだしはやめてください。 ほくまさん。 」

 

「 時間が空いたからと言って、

  今日みたいなジメジメジメリンコな日に

  ホイホイと自転車出して旅に出たのがマズかった … 」

 

「 おおっ!!

  ついに事故ったんですか!? 」

 

「 嬉しそうだが 違う。

  異常な熱さと 異常な湿気のせいで、汗ダクのヘロヘロで

  モロモロのニョメニョメのマニャマニャになった俺は、

  そのままスリャスリャするわけにもいかず、

  とりあえずモリモリのハマハマでウリウリする事にしたんだ。 」

 

「 … へー、 それで? 」

 

「 …… 」

 

「 …… 」

 

「 …

  … 突っ込めよ 」

 

「 あなたの言動にいちいち突っ込んでたら、

  私は胃に穴あけて 今頃病院で寝てますよ。 」

 

「 … まあ、それでだな。

  とりあえず休憩がてら、顔でも洗おうと …

  とある大通り沿いの公園に入って、

  そのままトイレの洗面所に行ったんだ。 」

 

「 ええ。 そしたら? 」

 

「 そしたら 中にはお爺さんが1人

  “小” のほうをしていてな …

  俺は別段気にせず、 持参したタオル片手に

  洗面台に行き、 蛇口をひねろうとしたら … 」

 

「 ・・・ ど ・・・ どうしたんです? 」

 

「 足元に 何やらモシヤモシャした感触が … 」

 

「 モシャモシャ!? 」

 

「 今日は短パンだったから ふくらはぎのあたりに

  なんと言うかこう … 

  毛糸をなすりつけられているような感触が … 」

 

「 ぞわわわ〜!!!

  なんですか!?いったい!? 」

 

「 慌てて下を見たらな …

  ションベンしている爺さんから 紐が伸びてて、

  俺の足元には首輪をしたシーズーがっ!!」

  



(こんなの)

 

「 えええええっ!!!

  って … それがどうしたんですか、

  別にめずらしくもない … 」

 

「 もちろん犬が大好きな俺は … 」

 

「 ちょっと

  まったああ!! 」

 

「 な、なんだよ、急に 」

 

「 あなた!! まさか 蒸し暑くてイライラしてるのを口実に

  足元の愛らしいシーズーに!!

  シーズーに向かって

 ここには書けないような事を! 」

 

「 お前さ、

  シーズーの血液の色知ってるか? 」

 

「 いやあああああ

   ああああー!!!

  おーーーーー

  まままままーーー

  わああああーーー

  りぃぃぃぃぃぃいー

  さあああああああー

  ーーん!!! 」

 

「 うそ、 うそうそ。

  ミーは フーリッシュガイザンス。

  カールグスタフ伯爵ザンス。

  オフランスのリップサービスシュルブプレ〜 」

 

「 庭に来る猫だのカラスだのに向かって

  雨あられと銃弾を浴びせたり、トゥィーター攻撃とか

  してる日頃の姿からは にわかに信じられませんが? 」

 

「 はっ、何をバカな。 俺は動物好きなんだぞ?

  ノラ猫だって 家の庭をトイレと勘違いさえしなければ、

  極悪改造スプリングのBB弾をドテッパラに

 食らわせて、ニギャーニギャー!!

 ニャンエビゾリの刑

 なんかにしたりはしないさ。

  あ、でもカラスは皆殺し。 」

 

「 そういうのを動物好きとは言わないんですよ、

  世間一般では。 」

 

「 まったく … 俺のキャラクターが最近勘違いされているよ。

  まるで ガイキチの暴れん坊将軍マイナス

 将軍=平民みたいな。 極めて危ない人間だと

  思われてるみたいじゃないか。 困ったもんだ。 」

 

「 まさしくその通りだと思うのですが … 」

 

「 まあ、確かに猫殺しとか 矢ガモとか そういうのは、

  鬱積した社会への恨み辛み反発が弱い立場を虐待する

  と言う形で噴出したもので、 放っておけば出刃包丁片手に

  トップニュースな事件を引き起こす人間に

  必ずなるだろうなぁ… 」

 

「 警察に連絡しときますよ、ホントに。 」

 

「 まあ待て、

  でも俺は “つ〜か〜あたし〜じつは〜わりと〜

 椎名林檎ファンなの〜つ〜か〜超ファン?

 なの〜” と街中で喋る 椎名林檎風女 に向かっても

  わりと気軽に発砲してるから、

 別に立場が弱い動物を狙ってるわけじゃないんだ。

  だから セーフだ セーフ。 ATFのセーフハウスだ。 」

 

「 …… 」

 

「 …… 黙るなよ 」

 

「 … 疲れました … もお いいです。

  で? 足元のシーズーをどうしたんですか? 」

 

「 ちゃあんと いいこいいこ してあげて、

  とりあえず そのまま顔を洗い始めたのだが … 」

 

「 だが? 」

 

「 何を思ったのか、

  シズ夫は俺のふくらはぎあたりに顔を寄せて

  くんくんくんくんと鼻を鳴らしたあと …

  ぺろぺろぺろぺと

  一心不乱に舐め始めた

      ではないか!! 」

 

「 ぞわわわわわわ〜!!!

  ふ … 普通なら可愛い愛情表現と

  受理されるでしょうけど、

  あなたの場合!!

 あなたのばあい! 」

 

「 シーズーの腸って どのくらいの長さか知ってるか? 」

 

「 いやああああああ

  あああ〜〜!!!

  舐めてる対象に

  これから殺されると

  も知らずにい! 」

 

「 それからいったい何があったのか、

  困った事に 何も憶えていないんだ。

  … おかしいな … 」

 

「 …… 」

 

「 気が付いたら、自分の部屋に戻っていて

  手には 大運動会のOVA版のDVDがあったのだ。

  買った憶えもないのだが … つーかサンプル版なんだよ、これ。

  いったい何処で手にいれたのか、実に不思議だ。

  と 言うわけで、今日は大運動会について … 」

 


「 ちょっと!!

  シ ・・ シズ夫は!

  シズ夫どうなったんですか!・・・ 」

 

「 ああ

  美味かった 」

 

「 いーーーーー

  ーーやあー

  ああーーー!! 」

 

「 そんな事よりだな、昔懐かしい大運動会を

  さっきパイナップル食べながら見てたんだが … 」

 

「 シズ夫だけじゃ飽き足らず

  パイナップルまで … 」

 

「 … 聞いてんのか?

  ここからが今日の本題なんだ。

  第三話の あかりが驚くシーンがあるんだけど … 

  これ ↑ セルの塗り間違えじゃないかなぁ? 」

 

「 はぁ … まあ、犬のことはさておき、

  なんですって? セルの塗り間違え? 」

 

「 ここは白目を全体に塗るハズなんだが、

  肌色に塗ってるから まるで目を閉じてるみたいに

  見えるだろ? ずっと目を閉じて喋るなんて

  おかしいったらありゃしない。 」

 

「 … まぁ … そう言われればそんなような気も … 」

 

「 だろ? 」

 

「 … いや …

  だろ?と 言われて 鼻高々になられても

  私にはどうにも … 」

 

「 俺が発見した事を自慢したかったのだ。 」

 

「 す … 素直な人だなぁ … 」

 

「 もしかしたら とっくに知ってる人や

  俺の勘違い説や

  有名なミス説もあるかもしれないが

  それがわかっちまうと悲しいので

  ネットで検索はしないぞよ。 」

 

「 別にそこまでして守るほどの

  自慢じゃないような …

  と、言うか なんで今頃になって大運動会ネタを? 」

 

「 ああ、実はな … このあいだ中国とかアメリカとか

  海外の人にも エヴァ小説大人気みたいな話をしたろ? 」

 

「 ええ。 」

 

「 最近はWEB翻訳サービスみたいなのを使って

  翻訳日本語で いろんな国からメールが来るんだけどさ、

  なんでも 今はロシアでも大人気らしくてさ。

  ウンタラカンタラさんとか ウンニャラカンニャラさんとか

  からもメールを頂いた。 」

 

「 … ウンタラカンタラって …

  失礼極まりないですね。 」

 

「 ロシア語読めないから、

  どー発音して良いのかよーわからん。

  別に発音する必要もないしな。

  俺はとりあえず 心の中で全員 ブレッケンリッジさん

  と呼んでいるのだが 」

 

「 アホか 」

 

「 なんでも海の向こうでは、今になって大運動会が大人気らしくてな。

  あらゆる人種が 牧野キャラに骨抜きにされているらしい。

  それにしても … 天地好きなのは知ってたが、

  萌えキャラなら 和風じゃなくてもなんでも良いらしいな。 」

 

「 ロシアでも “萌え” ですか … 」

 

「 ああ。 デスクトップの壁紙がデジ子で

 部屋には大量のUFOキャッチャーの

 キャラのヌイグルミが散乱し、フィギュアも

 結構持ってて、DVDとLDで足の踏み場が

 ないらしい。 挙句の果てに

  “赤の広場”で アニメ系のOFF会

 待ち合わせだぜ?

  どーなってんだ

      っつーの 」

 

「 … 赤の広場が

  今ではアキバの運動広場並の扱いなわけですな(笑) 」

 

「 まあ 世界が “萌色” に染まっちまえば、

  地球ぜんぶにラブ&ピースを広める、

  私の偉大な計画もやりやすくなるってもんだ。

  良いことだよ 良いこと。 」

 

「 … 悪夢の21世紀になりそうですね。 」

 

「 と 言うわけで、 セルの塗り間違いと思われる

 シーンをふと発見して驚いたテンション

 だけでここまで来た今日の日記だが … 」

 

「 ネタあかししないでください …

  … ホントに何も考えてないんですね、あなた。 」

 

「 つか 何か最後に 良いネタはないか?

  有意義で ためになる … 読んでよかったと言うような … 」

 

「 無茶なこと言わないでくださいよ。

  今の シーズー惨殺大運動会の流れで

  いったい どうためになる話をしろってんですか。 」

 

「 あ、 そうだ … デジタルあずまんがで オヤジりょーちゃんが 

  って言ってたけど、それは本当だぞ!

 片手腕足せて伏せうらやま

 Cィ〜ぞナリアルよ!

  ネタに使った往年の同人屋が言うんだから間違いないのだ。 」

 

「 こんなに “ためにならない” 知識、

  私見たことないんですが ・・・ 」

 

「 あ、最後にひとつ。、

  最近リサイズに耐えられない

  高圧縮JPGが蔓延している!

  画像を置いている諸君!

  もっと質の良い画像を

    用意するように!! 」

 

「 む、

  無断直リン、著作権違法のくせに ・・ 」

 

6/25(月)

別に忙しいわけではないのだけれど、目前のイベント(笑)に そなえる

意味も込めて 暇な時間をエヴァ小説にまわしております。 世間では、

突っ込みを入れたくなるような事ばかり起きていて かなりダラダラとここ

で文句やら何やらを書きたい気もするのですが、 そうはイカチンタコの

アシ(俺はおばあちゃんか) ま、山崎ツトムが踊るさんま御殿に出演する

世の中なんだから、現代はなんだってアリなんでしょうな。 ふぅ。

 

6/20(水)

あらためて言うほどの人数ではないらしいが、アメリカのとある大学では

“青き〜” の翻訳版(半公式)が作成されて 学生の間で読まれている。

これは前から知っていたのだが、(何せ自分でOKを出したから(笑)) 今

度はなんと中国語版ができまちた。(笑) つーか できている途中です。

こちらはWEB上で公開されてますので誰でも見れます。 場所は ここ

ブラウザのフォントで中国語をインストしておかないとちゃんと表示はでき

ませんのであしからず。現在どうやら第一話?を翻訳しているみたいです

が、どの程度忠実な訳なのかはさっぱりわかりまへん。(笑) まあ 私とし

てはそんな事よりも 冒頭ページに書かれている、

日本COCHMA先生的名作


と言う文字が非常に俺の書くインチキ中国語… もとい、

らんま的で気になるのですが。(笑) やぱぱーやぱ

ぱー いーしゃんてーん 胸のーたいはー 抱かれたいー やぱぱー…

と言うかちゃんと情報は伝わっているのでしょうか? 先生って? (^_^;)

何はともあれワールドワイドざんす。 ラブは世界の共通語ざんす。 世

界人口の5人に1人と言われるウン十億の中国の方達を全部ゴロゴロさ

せたるざんす。(野望) そのためにも本家本元が頑張らないとアカンので

サクラ3も ファンタシースターも 早い話がドリキャス全部を封印している

今日この頃。(ホントかよ) にしても サクラ3に “あれ” が “あんなに”

登場してくるとは思ってませんでした。 …サクラサク、本家は強すぎ(笑)

とりあえずそういうわけで エヴァ小説製作モードなのですが、ディズニー

ランドの日記はたぶんちゃんと書きますんで読んだってくらはい。(^o^)丿

 

6/19(火)


不定期やさぐれコラム

  東京ディズニーランドに見る

エンターテイメントの基礎  

作:よろず評論家ほくま


 

「 と 言うわけで、

  本日は “やさぐれコラム” と題しまして、

  ディズニーランドデストロイヤーとして その昔

  悪名を馳せた 東京都在住の よろず評論家、

  ほくまさんに テーマパークのお話をして頂きたいと思います。 」

 

「 うひゃら もひゃひゃひゃ 」

 

「 ・・・・ あの ・・ 」

 

「 うっほ!

  うっほうっほ!! 」

 

「 ・・・・ あの、もしもし? 」

 

「 文化包丁、 文化包丁はいずこ ・・ 

  はぁ はぁ はぁ はぁ ・・・ 」

 

「 大阪の次は東京の幼稚園と言う

  このタイムリーな時期に、 そういうネタはやめてください。

  ただでさえ あなたは いらぬ疑いをかけられやすい

  変態人間なんですから。 」

 

「 はぁ はぁ はぁ はぁ

  駅前で500万人に切りつけて来たよ うひゃひゃ 」

 

「 今回は中年女性だからアレですけど、

  20代の男性とかだったら まっさきに職務質問ですよ、あなた。 」

 

「 なんちゃこ なんちゃこ なんちゃこぱっく 」

 

「 ほくまさん? 聞いてますか?

  いいですか? 今日はテーマパークの話をしてください。

  わかってます?

  脳味噌ちゃんと動いてますか? もしもし? 」

 

「 はぁ はぁ はぁ はぁ はぁ … 」

 

「 そうです。 そうやってペンを持って …

  さっきから 何に興奮してるのかわかりませんが、

  しっかりお願いしますよ? ホントに。 」

 

「 うっす ・・ うっすナリ。

  うっすっすっすっす ・・・ 」

 

「 大丈夫かな、ホントに。

  … それでは皆さん お待たせいたしました。

  今回のコラム 始まり始まりです〜!! 」

 


 

グリシーヌが言うには、

何やら郊外に馬を用意してあるらしい。

 

「 さ、ついて来るが良い。 」

 

大神は 首をかしげつつも

彼女の後を追って シャノワールを

 

「 ほくまああ!! 」

 

「 うひ? 」

 

「 うひ? じゃねえよ!

  テーマパーク!! テーマパークだよ!

  誰が さくら3第六話のデートシーン

 のノベライズをしろっつたあ! 」

 

「 あひゃひゃ ・・ うひゃ・・・ もひゃひゃ ・・ 」

 

「 やっ やめなさい!!

  ネタバレになるでしょうが!!

  それに さくら3と関係ない人には

  いったい何のことだか

  さっぱりわからないハズ! 」

 

「 くきゃー!!

  もききゃーー!! 

  ふんがー!! 」

 

「 やめろ!! 書くな!!

  くそっ!なんて力だ・・ このままではっ!

  ・・ みんな逃げて!!

  逃げてぇ!!

 読んじゃだめ

      だあ!! 」

 

「 ふんがー!!! 」

 


シャノワールを出てしばし …

グリシーヌに連れられて、大神は巴里の街外れにある

緑豊かな森の入り口へとたどり着いた。

 

( へぇ … 少し歩いただけで、

  こんなに緑が沢山あるんだな。 )

 

巴里の街に来て随分時間が経ったが、

ほとんど郊外へは来た事がなかったので

彼にとっては とても新鮮な景色に見えた。

 

「 今日は貴公に

  狩猟の楽しさを教えてやろうと思ってな。 」

 

大神があたりを見回していると、

森の風に 美しい金髪をなびかせながら

グリシーヌが 二頭の白馬の手綱を引いてやって来た。

 

見事な白い毛並みと 気品のある佇まい。

流石は名門中の名門、ブルーメール家の馬だ。

 

「 狩猟? ここで狩りをするのかい? 」

 

「 いかにもそうだ。

  狩猟は武器や馬の扱いなど 戦の訓練にもなるしな。 」

 

日本の帝都に勝るとも劣らない

巴里の近代的な街のすぐそばで、

よもや狩りができるなど 彼は思ってもみなかった。

 

「 捕まえた獣はどうするんだい? 」

 

彼女から豪華な装飾の施された猟銃を受け取りつつ、

大神が聞くと、

 

「 もちろん 皮をはいで肉を食う。 」

 

グリシーヌは さも当然の事のように

そう答えた。

 

 

「 決まっているではないか、

  狩猟とは 自然が与えてくれた恵みに感謝するものだ。

  … 無益な殺生とはわけが違う。 」

 

貴族のプライドと誇りを第一に思う彼女は

その理念にも通じているようだ。

 

「 そういうものなのか … 」

 

「 今日は私が直々に

  日本人である貴公に狩猟の礼儀を伝授してやる。 」

 

高飛車な物言いは初めて会った時から変わらないが、

グリシーヌは大神に向かって柔らかく微笑むと、

ブルーの活動的なドレスを翻して 白馬に飛び乗った。

 

「 … ところで貴公、

  馬に乗ったことはあるのだろうな? 」

 

彼女が大神のほうを見ると、

彼は もう一頭の白馬の元へ歩み寄り…

慣れた手つきで 馬の頬を撫でている。

 

「 ふっ ・・ 言う必要もなしという事か。

  さぞ自信があるのだな。 」

 

グリシーヌは満足そうに笑うと

手綱を緩め 馬の腹に軽く足を当てた。

 

「 では 馬に乗れ、

  森の奥へ向かうぞ。 」

 

 

乾いた風が 木々の間を吹き抜ける。

森の木漏れ日の中を二頭の馬は

ゆるやかな速度で奥へ奥へと進む。

 

( ほう … )

 

時折 隣の大神を横目で見ながら

グリシーヌは軽い驚きを憶える。

 

 

馬に乗りなれた貴族達の中で育った

彼女の目から見ても …

大神の腕前は かなりのものだったのだ。

 

( 背筋や腕の張り方 … 馬の扱いも完璧か。

  流石だな。 隊長。 )

 

巴里華撃団の隊長として

光武をあれほど見事に扱っているのだ。

当然と言えば当然と言えるのかもしれない。

 

しかし 以前の決闘の時にも明らかになったように

この 大神一郎と言う日本人は

剣術や武術の腕前も 底知れぬものがある。

 

幼少の頃から 貴族の嗜みとして

剣術の訓練に明け暮れて来たグリシーヌと言えど …

彼には勝てないだろう。

 

( ブルーメール家の夫になる男は

  完璧でなくてはならない … か … )

 

事あるごとに そう言って、

周囲の男達を避けて歩いて来た彼女であるが …

そういえば この隊長には

取り立てて欠点と言うものが見当たらない。

 

( … し、強いて言うならば

  もう少し自信を持っておれば良いのだが … )

 

彼女から見れば この東洋人は少々優しすぎる。

意外と誇り高い人間であるにも関わらず

普段はそんな素振りはまるで見せない。

 

もっと堂々と … 男らしく、

威厳を持っていても良いと思うのだが。

 

( 昨日のキネマトロンの通信の時もそうだ。

  私を デ、デートに誘うならば、

  もっとハッキリ そう言えば良いものを … )

 

実は昨日の夜 彼と話したあの時、

慌てて通信を切ってしまったが

内心 かなり動揺していた彼女である。

 

( …… ) 

 

今日もこうして 半ば強引に出かける場所や

遊ぶプランを自分が決めてしまったのも、

隊長にリードされ、自分が受身に回った時に

いったい どう対応して良いのかわからなかったからだ。

 

( はっ …

  バ、バカな …

  私は何を考えているのだ … )

 

グリシーヌは急に我にかえると

慌てて首を振った。

 

これではまるで 隊長をそういう対象として

思いっきり意識しているみたいではないか。

 

_____ と、 その時

 

まるで注意していなかった前方の草むらから

一匹の野ウサギが、 弾丸のようなスピードで

彼女の白馬めがけて 突進してきた。

 

「 なに!ウサギが! 」

 

驚いたのは 彼女よりも馬のほうだった。

 

「 ブヒヒィイン!! 」

 

白馬は前足を大きく上げ、

大きな声でいななくと、激しく体をゆすった。

 

「 グリシーヌ! 危ない! 」

 

「 うわああ! 」

 

考え事をしていたせいで、

手綱をつかむ力が弱かった彼女は

そのはずみで 馬から振り落とされる。

 

( 間に合うか! )

 

 

大神はとっさに片方の手を伸ばし

身を横に乗り出すような姿勢をとると、

彼女の腰のあたりを 腕全体で抱きとめた。

 

「 … ふぅ … 」

 

普段威勢が良いとは言え、

やはり16歳の少女である事に変わりはない。

大神は 片腕で支えられるほど軽い彼女の体に

それをあらためて実感した。

 

「 グリシーヌ … ケガはないかい? 」

 

「 … え 」

 

一瞬の出来事であったため、

てっきり地面に叩きつけられると覚悟していた彼女は

自分が抱き止められ、宙に浮いていると気づくまで

わずかな時間がかかった。

 

「 ぶ、無礼者!!

  早く降ろせ! 」

 

ようやく事態を理解したグリシーヌは

顔を真っ赤にして叫ぶ。

 

「 わかったよ、 ほら。 」

 

いかにも彼女らしい反応に

大神は小さく笑いながら

彼女をそっと 地面に降ろした。

 

森の中は 再び木の葉の音だけの

静寂に包まれていた。

 

飛び出した野ウサギはもちろん、

驚いて暴れ出したグリシーヌの馬も

森の中へと逃げてしまったようだ。

 

「 … 貴公の前で失態を見せるとは … 」

 

 

衣服の乱れを整え、

ついでに鼓動の乱れも鎮めながら

グリシーヌは恥ずかしげにつぶやく。

 

いつもは完璧な彼女であるが、

この男といると どうにも調子が狂う。

… 実に不思議だ。

 

「 なんにせよ 無事でよかった。 」

 

一息ついた大神だが、

グリシーヌは素早く茂みの奥に目を向けると

 

「 むっ、あれは!

  さっきのウサギか!? 」

 

彼女の馬を驚かせた

張本人の姿を見つけ出した。

 

「 よし、今日の獲物は

  あの無礼なウサギだ、 

  馬から降りて ついて参れ! 」

 

名誉挽回とばかりに

グリシーヌは銃を携えて茂みの奥へと分け入った。

 

 

「 隊長、そっちに言ったぞ!!

  先回りして逃げ道を抑えるのだ! 」

 

「 す、すばやい!

  だめだ、グリシーヌ 茂みに隠れた!! 」

 

森の奥深く … 緑の草むらの中で、

ウサギ相手に 二人はまるで怪人の蒸気獣と

戦っている時のように格闘している。

 

貴族の優雅さとは かなりかけ離れた感じだが、

当事者の二人は必死である。

 

____ だが、

そんなグリシーヌをあざ笑うかのように

思っていたのとは まったく逆の、

背中の草むらから ガサガサ、ゴソゴソと音が聞こえる。

 

「 なにっ!

  こっちに戻ったのか!! 」

 

振り返り、慌ててあたりを見回すが

すでにウサギの姿は何処にもない。

 

「 こんなウサギ … はじめてだ。 」

 

狩りには慣れており、

自信もあるグリシーヌは 強敵の出現に

いささか戸惑い気味だ。

 

「 と、ところでグリシーヌ … 

  俺たちどっちから来たんだっけ? 」

 

戦闘中に ふいに大神が発した言葉により、

森の中は再び 静けさに包まれた。

 

気づけば ウサギを追うあまり …

帰り道など まったく考えていなかった。

 

「「 …… 」」

 

二人はそのままの姿勢で顔を見合わせて、

言葉を失ってしまった。

 

 

「 ふぅー …

  馬からは落ちる、

  獲物は逃がす、

  道には迷う、

  まったく、散々な一日だ。 」

 

大木の幹に背中を預け、

グリシーヌは深く溜息をついた。

 

貴族の狩猟を教えるどころか、

これでは恥をかきに来たようなものではないか。

 

… ただでさえ隊長には

あまりみっともない姿を見られたくないと言うのに。

 

「 とりあえず移動してみよう。

  何か目印が見つかるかもしれない。 」

 

周囲を見回していた大神が、

建設的な意見を口にした … その時、

 

・・・ ガサゴソ

 

「 むっ! 今の音 …

  その茂みからか! 」

 

とっさにグリシーヌは身構えると、

銃を握りしめ 姿勢を低くした。

 

「 せめてあのウサギだけは

  自分の手で狩らねば 気が済まぬ! 」

 

・・・ すると

彼らの前方の草むらから、

よく似た 二匹の野ウサギが警戒しながら現れた。

 

「 そうか …

  二匹いたのか、どおりで素早いと思った。 」

 

大神が 納得していると、

今度は二匹の後ろから … 小さな小さな物体が

ひょこひょこと何匹が顔を出した。

 

「 ん。

  子ウサギ達もいたのか … 」

 

手のひらにのるほど小さな子ウサギは、

数匹かたまって震えている。

二匹の親ウサギは そんな子供達を隠すようにしながら

こちらをジッと見ている。

 

「 ・・・ そうか、

  夫婦で子ウサギを守ろうと戦っていたんだな。 」

 

そのほほえましい姿を見て 大神は笑顔になった。

さっきのアレも

きっとグリシーヌの馬を 敵だと思い込んで

攻撃するために飛び出して来たのだろう。

 

「 … グリシーヌ、

  きっと この野ウサギは …

  … あれ? 」

 

大神が言いかけて グリシーヌの方を見ると、

彼女はどうしたのか、ジッと黙ったまま …

その 子ウサギを食い入るように見つめている。

そして

 

「 か … かわいい!!! 」

 

耐え切れなくなったように、満面の笑み咲かせると、

普段の彼女からは想像もできないような声で叫んでいた。

 

 

「 いいっ! グ、グリシーヌ? 」

 

驚いた大神の声で 彼女はハタと我に返る。

 

「 いや … あ … 」

 

みるみるうちに彼女の顔が赤く染まってゆく。

 

「 な、などというのだろうな!

  エリカやクコリコならば! 」

 

色白の彼女は 首まで朱に染まり、

必死に取り繕った。

 

そんなグリシーヌの姿が可笑しくて、

大神はくすくすと笑う。

 

「 わっ 笑うな!

  貴公とは言え 許さぬぞ! 」

 

赤い顔をさらに真っ赤に染め、

彼女は慌てて大神を攻める。

 

しかし彼は少しも悪びれた様子もなく、

 

「 グリシーヌもかわいいよ。

  いい笑顔だった。 」

 

トドメの一言を

さらりと言ってのけた。

 

「 な、

  なにを言っているのだ!

  み … 妙なことを申すな! 」

 

ブルーメール家の令嬢として

賛美の言葉など

聞き飽きるほど言われて来たにも関わらず、

 

彼女の心臓は高鳴り

今までにないほど うろたえてしまった。

 

 

「 … 獲物は無かったが、

  あのウサギ達からは良い事を学んだ。

  たとえ、力弱きのウサギでも

  二匹で協力すれば、

  武器を持つ人間に勝つこともできるのだな。 」

 

二人はウサギの親子を残し …

ようやく馬の元へと戻って来た。

 

「 そうだな …

  俺たち巴里華撃団も

  学ぶところがあるようだね。 」

 

グリシーヌの言葉に、大神も深く頷く。

 

加山が指摘した通り

個性が強く、些細なことでバラバラになってしまう

今の華撃団にとって、一番必要なのはチームワークなのだろう。

 

隊長であり、グリシーヌを始め

エリカやクコリコ、ロベリアや花火をまとめ上げ

巴里華撃団として ひとつの力にしていかねばならない

 

今の大神にとって、

今日の狩猟は少なからず勉強になった。

 

 

「 さ、 行くか

  戦いだけが貴族の誉れではない。

  慈悲の心をもつことも必要だ。 」

 

「 ああ … そうだね。 」

 

グリシーヌは白馬の元に歩み寄ると、

後ろからついて来た大神を振り返った。

 

「 … 帰るのは良いが

  貴公の馬 一頭しかおらぬ。

  私の馬は先ほど逃げてしまった。 」

 

グリシーヌはしばし

何やら考えるそぶりを見せた後 …

 

 

「 そ、そこで …

  私に考えがあるのだが … 」

 

めずらしく 言いにくそうに言葉を濁し、

大神の顔を チラッと見た。

 

「 え? 」

 

 

「 し、

  しっかり 私につかまっておるのだぞ! 」

 

( … いいのかなぁ? )

 

内心 そう思いながらも、

馬から落ちるのは嫌なので

大神はグリシーヌの腰に 恐る恐る手をまわす。

 

「 … なるほど、

  俺が グルシーヌの駆る馬の後ろに乗るって事か。 」

 

「 もっ 文句があるのか!? 」

 

困ったような声の大神に、

グリシーヌは赤い顔で怒鳴る。

 

「 貴公に貴族の馬の乗り方と言うものをだな、

  伝授してやろうと言うのだ! 」

 

当然の事ながら、

彼女と馬に二人乗りした男など大神が始めてだ。

それよりも何よりも、 誇り高き グリシーヌ・ブルーメールの

たおやかな腰に手を回したのも 当然彼が始めてなのだが …

 

大神はそんな事 知るよしもない。

 

 

「 本来ならば 貴公を馬から下ろし、

  手綱を引かせるのだが・・・ 

  貴公には借りがあるからな。 」

 

背中に彼の暖かな体温を感じながらも

こんな事は異例中の異例であり、

さも心外であると 彼女は繰り返す。

 

「 借り?

  何のことだい? 」

 

「 私が

  馬から落ちた時の あれだ。 」

 

そういえば、

彼女を抱きとめた男も 大神が初めてだ。

今日は初めてづくしの日らしい。

 

「 ああ、

  あの事か …

  そんなに気にする事無いのに。 」

 

「 ・・・ 礼は言っておく。 」

 

ブルーメール家は

何より歴史と礼節を重んじるのが家風だ。

 

“受けた恩は 必ず返す”

 

「 … だが、

  貴公は今日の事は すべて忘れろ。 」

 

グリシーヌらしい言葉である。

 

「 ははは …

  努力してみるよ。 」

 

大神は 馬に揺られながら、

風になびく 美しい金髪の後姿に

微笑みながら答えた。

 

 

「 私は …

  ………… ずっと憶えておく … 」

 

 

「 ん? 何か言った? 」

 

 

「 な、なんでもない!

  行くぞ!! 」

 

グリシーヌはそう叫ぶと、

一陣の 青い風のごとく馬を走らせた。

 

 


 

「 あ ・・・ あああ ・・・

  お ・・・ おそろしい ・・ 

  ついに最後まで書きおった、

  この男 ・・・広井さんに怒られる… 」

 

「 うっひゃっひゃっひゃっ 」

 

「 しかも ほとんどオリジナルや …

  つーか あなた こんなに脚色しまくった

 事をいつも妄想しながら

 ゲームやってんですか? 」

 

「 けっけっけっけっ こけこっこま 」

 

「 つーか コミュニケーションがとれない ・・

  人の話 聞いてくださいよ。 」

 

「 グリシーヌ!!

  ぐりししあいささーんう

   あんさんさあー!!! 」

 

「 だ ・・ だめだ この人 ・・・ 」

 


 

「 だ〜れだ!! 」

 

楽しそうなエリカの声とともに、

大神の口が 背後から手でふさがれた。

 

「 むぐっ! 」

 

普通ならば両目を隠すハズだが、

流石はおっちょこちょいのドジ魔王のエリカだ。

まるで

 

「 やめろおお!! 」

 

「 うひひ?

  もひひゃ もひひゃひゃひゃもも? 」

 

「 もうたくさんです!

  やめてください ほくまさん! 」

 

「 けきゃー!!

  けけきゃー!! 」

 

「 はっ ・・ も、 もしかして ・・・ 

  ほくまさん ・・ じゃなくて

  大神さん!! 

  大神さん!

 これ以上書くのは

 やめてください!!」

 

 

「 ・・・

  うん ・・ わかった。

  最初から俺に言えばよかったんだ。

  ほくま? いったい誰だ、そいつは。 」

 

「 あんたや あんた 」

 

「 心外だな、

  ほれ、 この紙を見ろ 」

 

「 なんですか ・・・ これ ・・・

  戸籍の写しじゃないですか ・・

  ・・・ ゲッ!! 」

 

「 昨日付けで 俺は正式に大神一郎になった。

  これから戸籍レベルで名前を変更せずに

 さくらをやって 大神気分に浸る輩は

 大神レベルが低いと言わざるおえまい。

 偽大神だ。 そんな奴には誰もやれん。

  つーか メルは俺の家内ですが。 

 それが何か? 」

 

「 ・・・ アホや この人 」